2021年 08月 12日
8月12日(木):「経営に顧客理解を取り戻せ」 |
今週の日経ビジネスで始まった新しい連載は「顧客起点の経営改革」と題したものです。
第1回目となる今回は「経営に顧客理解を取り戻せ」とのタイトル設定がなされています。
記事では一例としてロクシタンジャポンの事例が取り上げられており、売上減やブランド価値の希薄化から売上増までの業績改善プロセスに触れながら、一時的な不振に陥った要因として挙げていたのが「顧客理解の弱さ」についてでした。
経営者が「思うように上手くいかない」事態において共通するのは、意思決定の土台となるべき「顧客理解が弱い」こと、と指摘されています。
その理由は「既存顧客も、潜在的な顧客も全て数字として平均化、最大公約数化して捉えている以上、それをベースにしても顧客のファン化や新規顧客の獲得、あるいは新規の事業創造への具体的なアクションは見えてこない」との明確な説明です。
顧客理解の弱さ、顧客心理がブラックボックス化されていると、アクションが的外れになること、望んだ結果が得られない、というのはその通りだと思います。
ユーザー、マーケットに対する現状認識を誤ってしまえば、その先でアウトプットされる方向性、方法論が誤ったものになるのは避けがたいですからね。
このブログでは以前に日経MJの50周年と絡んで同紙編集長がそこで触れていた「奪われた顔を取り戻せ」というメッセージを取り上げました。
小売り、流通がこの50年のなかで国民の生活を豊かにした一方で売り手、買い手の顔が見えなくなった状況、無味乾燥となった消費空間を変えていく必要があるとの問題提起ですね。
これも遠からず同じ文脈で生じている問題だと思うし、私がこのブログや社内、セミナー等で伝えてきた新型コロナによるフィットネス業界への教訓は「顧客接点を見直せ」とのメッセージだと言い続けてきたこととも重なります。
やはり、見るべきこと、考えるべき起点をどこに置くかといえば、それは顧客だと思います。
特に経営者・リーダーがそのようなスタンスでいられるかどうかが大事でしょう。
もっとも本質、かつ基本的なことであって、誰もがその重要性を頭では理解していながらも、その実行や徹底との間に開きが生じる事柄でもあるように感じます。
改めて何が大切であるのか、そこに立ち返ることがスタートだなと思います。
by biz-365
| 2021-08-12 18:15
|
Comments(0)