2021年 03月 06日
3月6日(土):ライフスタイルの提案 |
一昨日の日経MJには「夢のガレージライフ賃貸で」と題した記事がありました。
こちらで取り上げていたのはカー用品大手のオートバックスセブンが不動産賃貸業に参入する旨を報じたものです。
同社が新たに手掛けるのはガレージ付きの集合住宅ですね。
ガレージは車の1台置き、2台置きの2タイプがあり、居室部分は13畳ほどのスペースで賃料は16万円前後の設定になっています。
一般的に建売住宅ではガレージ付きの家も少なくありませんが、賃貸の集合住宅でそれが付帯するケースはあまり聞いたことがありませんね。
既存のオートバックス店舗との連携も視野に入れていて、入居者は同店で車の整備が受けられる形を検討しているそうです。
あわせてガレージ周辺のグッズも強化して、車の手入れやカスタムを楽しむ需要を喚起していく見通しです。
オートバックスセブンがこのような不動産賃貸事業へ進出した意図として車離れが進む20代〜30代の若年層でも気軽に車を所有できるように、との考えを示しています。
若年層の車離れがさらに加速をしていけば、やがて本業でのカー用品の購入者をはじめ、車検やメンテナンスなどを受ける人も漸減していくことは避けられません。
そうした背景もあって「カーライフ」としての「ライフスタイル」そのもののを提案し、中長期的な視点での顧客創造を考えた取り組みですね。
オートバックス店舗でも車でのキャンプを提案するなど、ライフスタイルの提案をしながら車を購入してもらう「きっかけ」づくりに力を入れているようで一貫したアプローチだと思います。
バイクのハーレーダビッドソンもライフスタイルの提案による顧客創造は秀逸ですが、今回のオートバックスセブンのそれも類似した文脈だと言えますね。
車の場合は前述したように若年層の車離れは顕著で、まずは車に乗りたいと思うかどうかが最初のハードルですが、その先の選択肢は所有のみならずカーシェアも普及してきているだけに、「所有かシェアか」の2つ目のハードルもあります。
これらのハードルを越えていくには、単にモノの良さだけをセールスしても難しいでしょうから、ライフスタイルの提案は非常に大切だと思います。
本件に関してひとつ懸念点を挙げるとすれば、賃料の価格設定でしょうか。
既に建築を進めているエリアが埼玉県朝霞市ということですが、ガレージ付きとはいえこの地域で16万円設定だと高値には感じますね。
私は大学時代のサッカー部のグランドが同地域にあったので周辺は良く知っているし、若年層をターゲットにするのであれば・・・、との所感です。
もともと車好きで、そこへの投資は惜しまないという人がターゲットなら、この設定でも入居する人はいるでしょうが、ターゲットとのマッチングでいえば、その点が気になるところですね。
いずれにせよ、ライフスタイルの提案自体は良い試みであるのは確かだから、需要喚起につながっていけばと思っています。
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by biz-365
| 2021-03-06 17:31
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