2021年 02月 21日
2月21日(日):相互扶助的な中間共同体を |
先日、NHKの「ニュースウォッチ9」では特集のなかで「処方箋分析から見る震災10年の被災地の心」といった内容を放送していました。
そこで取り上げていたものは岩手県を内陸部と沿岸部とに分け、患者数などが同等規模の病院を比較対象としながら震災から10年分の処方箋を分析したものです。
それによって出てきた結果は沿岸部では睡眠薬の処方が震災後も同水準が続いていて、内陸部に比べて2倍以上になっている現状でした。
この結果を見ると10年の歳月を経ても震災が暗い影を落としているのが分かりますし、強く刻まれた不安は容易に取り去ることができないものであることも感じます。
特に気になったのは、ご家族を亡くされてお一人で過ごされている方ですね。
やはり一人だけでいると自分のなかで感情がループをしやすいし、内側に閉じてしまいやすい面があって、これが不安を助長してしまうことの懸念です。
逆に日頃から時間や場をともにする人がいれば、自分以外の要素で気持ちが上向く瞬間もあるし、笑う回数が増える傾向にはなるものです。
それだけに家族はもちろんですが、自分が属するコミュニティがあるかどうか、そうした中間共同体の重要性を改めて感じたところではありますね。
念のため補足をしておくと中間共同体は国家と個人の間に位置する共同体を指します。
現代はこの中間共同体が衰退してきたことは周知の通りで、それが孤独や不安をより深いものにしているのは確かだと感じます。
ただこれは前述したような震災や惨事による大きな爪痕だけに限ったものではなく、分断や孤独が進んだ現在では小さな不安や漠然としたものが積み重なっての不安など、どこにでも、また誰にでも起こり得る可能性をはらんでいます。
現実的に単身世帯は増え続ける一方で、他者と協同する場面は減り、消費に目を向けてもマスが消失したように共通項を見出すのも難しくなりつつある現状です。
そうしたなかでは個々が安心を感じられたり、自分の居場所と思えるような中間共同体を再構築していく必要はあると思っています。
とりわけ相互扶助が機能するような共同体があるかどうかは重要だと考えてきました。
私たちがALIVEを起ち上げる時には当初から「健康を基軸にした村」を掲げてきましたが、それは先に触れたような問題意識を持っていたからでもあります。
幸いにしてクラブのオープンからの時間経過とともに共同体的性格を帯びたコミュニティが育ちつつあるのは実感できるので、自分たちの事業を通じて少しでも地域が抱える社会的な課題に寄与していけばと思います。
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by biz-365
| 2021-02-21 17:57
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