2020年 01月 28日
1月28日(火):「終着点」ではなく「通過点」に |
先週の日経産業新聞には「アパレル販促 中古市場見据える」と題した記事がありました。
同記事で触れていたのはアパレルの消費が落ち込んでいる現状、そして新しい動きとして「SHIBUYA109」がフリマアプリ最大手のメルカリと組んで、セールの販促につなげる取り組みについてです。
109では今月2日から店内にメルカリのブースを設置し、メルカリで出品するための撮影や梱包を店内でできるようにした、ということです。
年始の福袋などのセールでありがちなのが、全体感としては元値より大幅な割引になっているけれども、中身の商品のうち1点や2点などは自分の欲するものと違う、といったパターンでしょう。
そうした商品をすぐにメルカリ等のフリマアプリで再販売することができれば、自分にとって不要なものは換金でき、結果として自分に必要なものだけを割安に買えた、という状態にはなりますね。
今後の在りようを考えると、こうしたアプローチが少しずつ広がっていくと思います。
関連したことでいえば、約1年前の昨年2月には「若年層のブランド消費を喚起するには」と題したブログを記しました。
そこで私が言及をしたのは「あらかじめ買い替えを想定した販売の仕方」、「出口と乗り換えまでを整備」することについてです。
「流行サイクルの短縮化」、「嗜好の多様化」、「CtoCのプラットフォーム拡充、市場の拡大」、「シェアの一般化」など、これらの要素が噛み合わさっていくと、どうしたってこういう方向に物事は動いていきますからね。
もう少しだけ噛み砕いて説明をすると、流行サイクルが短縮化するほどトレンドを終えて情緒的価値が毀損(流行遅れ)をするものの、機能的には十分に使える物が溢れていきます。
それとあわせて嗜好、価値観の多様化が進めば、ある人にとっては情緒的価値を毀損して意味を持たなくなった物でも、別な誰かにとってはその人の嗜好、文脈において価値を感じる物は多分に出てきます。
そしてCtoCのプラットフォーム拡充、市場の拡大が進めば、それらの人を容易にマッチングできるようになるし、シェアの概念が一般化すれば共有やリユースへの抵抗もなく、物もお金も流れていく形です。
現在はコンビニでもCtoCのフリマアプリへ出品・配送するための梱包資材が売場に並ぶぐらいになったことがその証左でしょう。
そうなった時に持つべき観点は、ブランド品にしてもアパレルの商材にしても、商品を買ってもらうことがゴールではなくなっていく、ということです。
換言すれば、そこが「終着点」ではなく「通過点」になる、とのイメージですね。
もちろん自分で使って終わる類の物もたくさんありますから、そうした商品は従来の延長線上でのセールスになりますが、「その先」への可能性をもった商品については前述した観点を持ちながらセールスを組み立てていく必要が高まっていくと思います。
by biz-365
| 2020-01-28 18:23
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