2020年 01月 16日
1月16日(木):信頼が問われるグルメサイト |
先週の日経MJには「グルメサイト『信頼せず』26%」と題した記事がありました。
同記事は飲食店の顧客管理システムを開発するテーブルチェックが一般消費者に行ったグルメサイトに関する意識調査の結果をもとにした内容です。
調査対象は20代~60代のグルメサイトを使った経験がある人を対象とし、そのうちの1,122人から有効回答を得ています。
同調査によればグルメサイトでの点数やランキング表示について「あまり信頼していない」が21%、「まったく信頼していない」が5%となり、冒頭に記した記事のタイトルにもあるように合計26%がグルメサイトに信頼を置いていない状況だと分かります。
またグルメサイトの利用頻度については「変わらない」が59%で最多ですが、「増えた」が10%であるのに対して、「減った」は16%、また「まったく利用しなくなった」も3%あり、利用頻度も減少する方向に流れている面はありますね。
こうなってしまう要因のひとつは飲食店がグルメサイト運営企業に支払う広告掲載料と評価が連動しているとの懸念が広がっているためです。
これはグルメサイトに限ったことではないですが、WEBサイトにおけるユーザーレビューそのものの信頼性が低下傾向にあるのは間違いないでしょう。
以前にはNHKのクローズアップ現代でも「偽レビュー」に対する特集が放送されており、このブログでも関連した内容を記した通りです。
例えばECでもアマゾンのレビューなどを見ていれば、そこには「んっ?」と思うような内容も紛れ込んでいて、それは読者の皆さまも利用の中で感じていることだと思います。
こうしたユーザーのレビューや評価、それをもとにしたCGMのプラットフォームというのは信頼がベースになるべきものです。
その信頼による行為が経済学で言うところの「外部性」として機能し、提供者とユーザーの双方に対してメリットとなる外部経済をもたらします。
でも、その信頼としての社会関係資本を市場に内部化してしまうと、もっと言えば収益と結び付け過ぎてしまうと、結果的に根幹である信頼が揺らいでいくことにはなりますね。
また以前にも触れたようにデジタルのテクノロジーやツールの場合はブラックボックス化されている部分が多分にあるし、顔の見えるリアルな世界に比べて悪意や作為的な要素が入り込みやすいのは事実です。
同時に作為的な部分が傍目には分からないぐらい、巧妙にカモフラージュできるようになりつつもあります。
ネット社会が前述したプラットフォームを生み出した面はありますが、現在のネット社会のなかで、その裏側とも言える舞台装置をユーザーが知るようになってきたからこそ、疑いの目をもって見るようになってきたのでしょう。
プラットフォーム事業者としては今後、こうした点をクリアにしていく必要性が今まで以上に高まっていくし、自浄作用を働かせていくことが大切だと思います。
by biz-365
| 2020-01-16 18:52
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