2019年 10月 21日
10月21日(月):信頼を担保するプラットフォーム |
先般の日経MJには「中古車の個人間取引参入へ」と題した記事がありました。
同記事で取り上げていたのはカー用品大手のオートバックスセブンが中古車のCtoC市場の仲介事業に乗り出す点です。
内容としては車の売り手が中古車の査定をオートバックスに依頼し、そこでの内容をもって買い手とマッチングさせるサイトへの登録をしていき、取引きが成立したら手数料をもらう仕組みを想定します。
中古車のCtoC市場では既にガリバーが先行していますが、海外に比べると日本の中古車における個人間取引の規模が非常に小さいため、これからまだまだ拡大する余地があるものと見込んでの参入ですね。
今回の対象になっている中古車の場合は、その取引における査定や整備、それによる保証というものが不可欠な領域です。
なぜなら自動車の場合、ユーザーにとってはブラックボックス化された部分があるからです。
ユーザーは運転免許を取得して車を運転してはいるものの、エンジンをはじめとした自動車の細かな仕組みまでをユーザーが理解しているわけではありません。
だからサイトに登録されている中古車のそれが、どのような状態にあるのか、その善し悪しを知る術がありません。
一方で自動車というのは安全性を損なっていれば命を左右する事故につながるほか、売買の金額も相応なものになります。
だから「よく分からない状態」で買うことには絶対に二の足を踏むものです。
同時に中古車販売でトラブルになりがちなのが、購入したけどすぐに壊れて使えない、とか記載にあった情報と実態が違っていた、といったことでしょう。
そういったものを避けるためには信頼できる第三者が確認をして、その品質や整備状況等に対して認証を与える必要があります。
売り手が企業で一定の社会的信用があり、なおかつ何かあった場合のサービスの窓口が整っていれば話は別ですが、個人間取引の場合はその点の信用とサポートがありませんからね。
特に市場そのものを活性化していこうと思えば、その面での安心感や健全性を高めていく必要があるでしょう。
なぜなら取引そのものに不安があれば絶対に買い手が増えることはなく、市場そのものがシュリンクしていく懸念すらあるからです。
その意味で中古車のCtoC市場において売り手と買い手の信頼を担保して、なおかつ双方の橋渡しをしていく役割は需要があると言えます。
幸いにもオートバックスの場合は全国にリアル店舗があって、自動車ユーザーとの接点を持っているのが強みですね。
中古車のCtoC市場でのプラットフォームとしては後発になりますが、そのあたりを活かしての展開をしていけば面白味も見えてくるかと思います。
by biz-365
| 2019-10-21 23:39
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