2019年 08月 10日
8月10日(土):「暗黙知」と「良い属人化」 |
昨日は現場のトレーナーこそが最も多くの変革のためのアイデア、ヒントを持っている、といったことに触れました。
自立している各トレーナーの中には、それぞれが持っている知識や技術等のお客様に価値提供できる鉱脈が眠っていると同時に、お客様ともっとも近い距離で接して、そこから生まれる創造性もまたクラブや会社にとっての財産だと思います。
そして、こうしたアイデアやヒントとしての創造性はデータサイエンスからではなく、個人の主観や感性から出てきている面が大きいと感じます。
そのような創造性を活かしていくためには効率性などに傾き過ぎないところも大事でしょう。
定量的な効率性を重視した科学的アプローチに寄り過ぎれば、「余白」が乏しくなりますからね。
新しいことの萌芽というのは、そうした余白としての遊びがあってこそ出てくるものでもあります。
そして標準化やパッケージにする前提に立ちすぎると、出来ることの幅もどうしたって小さくなります。
標準化としての形式知というのは換言すれば「いつでも、どこでも、誰もができる」状態に仕立てあげることを指します。
全体の統一性、ベースを固める意味ではそれも大事ですが、やることの1から10までがそれでは決して「誰もができる範疇」を超えることはありません。
既に画一的なチェーンオペレーションが曲がり角に来ている状況を見れば、そうしたことの先を見ていく必要はあるでしょう。
そこに加えていくべきはパーソナルナレッジとしての暗黙知でしょう。
先ほどの形式知との比較で表現すれば、こちらは「いま、ここ、私だけ」というものです。
当然ながら、これをすれば属人的な領域ができることになります。
でも、本当の意味でその人固有の良さを活かそうとしたクラブ運営や経営をするなら、そこに属人的な部分がなければ、その人である意味も生まれません。
以前にもブログ等で触れたことがあったと思いますが、属人化には「良い属人化」と「悪い属人化」があります。
前者はプラスαの価値創造をする部分での属人的アプローチであるのに対し、後者は共通の土台の部分や作業領域を勝手に属人化してしまうものです。
「属人的=悪いもの」的なイメージが強いですが、形式知以上の価値提供や創造性を生もうと考えるなら、前者の良い属人化は必須でしょう。
そうした良い属人化としての創造性を活かし、それを定量的な観点で補完していく、というのがこれから求められるバランスのようにも思えますね。
特にALIVEのような人が中心になるべきクラブでは、そのような点も大切に考えていくつもりです。
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by biz-365
| 2019-08-10 17:27
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