2019年 01月 29日
1月29日(火):旧弊からの脱却と再構築を考えるとき |
昨日はアパレルでブランドタグを付け替えて再販売している企業の仕組みに触れました。
この背景は現状のアパレルでは流行サイクルの短縮化が進み、従来以上に「機能的には新品で何の問題もないけれど、トレンドという情緒的価値を棄損した商品」が、今まで以上に溢れかえる現実に起因しています。
そこでも説明したように無駄に大量生産・大量廃棄されるだけよりも、ブランドタグを付け変えることでそこに再び命が吹き込まれるならば、健全な仕組みだと言えるでしょう。
また昨日に取り上げた日経MJの記事では先の会社の他にも面白い試みをしているお店が紹介されていました。
それは京都にある「コトバトフク」というセレクトショップです。
こちらでは過去シーズンの商品も新作と一緒に並べられており、かつ値引きすることなく定価販売をしています。
そのモノ自体の価値をどう捉えるかはユーザーに委ねる姿勢で、根底にあるのは服というものは時間が経ったらかわいくなくなるものではないという考え方や、本当に良いものは2~3年かかっても売っていきたいし、それによって価値の提案をしたい、との考え方です。
そうした考えのもと、セールでの値引きに頼らない販売をしつつも、徐々に売り上げは増えているのだと言います。
ここでは流行りとしてのトレンドではなく、お店の世界観やスタイルとして商品提案をしているから、今年のものであるか、昨年のものであるかは、ユーザーにとってはあまり関係がないのだと思います。
アパレルメーカーの多くはワンシーズンで売り切ることを前提にしているから、大幅な値引きをしてセールでさばくことをしなければならなくなります。
またセールで値下げ販売することを見越して、それでも利益が確保できるようにするために、そもそもの定価が高く設定されている現実もあります。
そして売れ残りを廃棄するコストも当然ながら、商品の価格に反映されていますね。
だから定価だと商品に対して割高感があり、いずれセールで値下がりしたら買おうぐらいに思われてしまう悪循環です。
客観的に見ていてもトレンド、セール、短期での売り切り、そして大量生産・大量廃棄といった今までの前提を問い直すタイミングに来ているようには感じます。
現在は昔のようなマスの市場は消失したし、流行りの波もそれが一本のビッグウエーブではなくなっています。
今はたくさんの震源地から無数の波が生まれている時代だし、ユーザー側の嗜好も多様化しているのは明らかです。
あわせて販売チャネルもかつてないほど多様化している状況ですからね。
それだけにアパレルとしては作り方、売り方などを再構築するべく、新たなチャレンジがあっても良いのではないかと勝手ながらに思っています。
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by biz-365
| 2019-01-29 20:46
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