2019年 01月 24日
1月24日(木):「ゲノム編集」と「市場のニーズ」 |
このところはゲノム編集について記していますが、本日もこの続きをもう少しばかり。
先般のトレーナー交流会でもフィットネス業界や健康に関連した未来を考えるうえで、こうした話題に触れる場面がありました。
一言でいえば現状のフィットネス業界の主たるニーズである「痩せる」や「筋肉をつける」といったことへの代替手段、あるいはそもそものニーズの消失にも関係する話だと思っています。
例えば筋肉を付けるといったことでいえば、ゲノム編集でミオスタチンを欠損させることによって確実に筋肉量を増やすことはできるでしょう。
ミオスタチンというのは筋肉の過形成を抑制する働きをもっており、言わば筋肉が際限なく肥大することを防ぐためのブレーキ役です。
これが欠損することで筋骨隆々になった牛は変異種として自然界に存在しているし、この観点を養殖魚へ転用する研究も進み、実用化がなされています。
以下は国内での研究事例として、ゲノム編集でミオスタチン欠損体としたトラフグと通常のトラフグを比較した画像です。
※画像は公益社団法人日本農芸化学会「養殖魚におけるTILLING法を用いた品種改良技術の確立日本で開発された水産育種技術を使ったダブルマッスルトラフグの作出」より
前述したようにミオスタチンを欠損させることで、可食部分が1.5~2倍ほどになるようですから、養殖ということでいえば生産性が飛躍的に高まることにはなりますね。
ちなみに一昨日のブログでも少し触れたように厚労省ではゲノム編集食品の販売を届出制で認可をしましたので、早ければ年内からこうしたものが流通し、食卓へあがっていくことになるでしょう。
視覚的に見ると非常に分かりやすいと思いますが、このようなアプローチを試みると日々、自分を厳しく追い込むようなトレーニングをせずとも、ハルクのようになれる可能性があります。
まあ、ここまでとは言わずとも、筋骨隆々にすること自体はそう難しいものではなくなりますね。
続いてはこれとは反対に痩せるというニーズに対しては肥満につながる遺伝子を取り除く、といったことになるでしょう。
こちらは具体的にどの部分に対して、どういったアプローチをするのかは研究段階だと思いますが、これからそのような研究が加速していくのは間違いないと思います。
このあたりの実用化が進んで、プチ整形や脱毛といったレベルと同程度ぐらいまで一般化してくれば、現状のボディメイクにおけるニーズの代替材にはなってくるかもしれないですね。
これらは一例ではありますが、来るべき未来の姿の一部かもしれません。
ひとつ言えるのは現状のボディメイクのような市場、ニーズに安住するのではなく、健康や人間を包括的に捉えたサポートや提供価値を深堀りしていくことが大切だと思っています。
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by biz-365
| 2019-01-24 17:43
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