2018年 08月 22日
8月22日(水):2つを並び立たせること |
昨日はスカイマークのことを取り上げ、経営破綻当時とは見違えるように、現在では定時運航率が航空各社のなかで1位になっていることに触れました。
そして、それを実現するまでに至る徹底力にこそ、リーダーとして力量が表れている旨の説明をしたと思います。
本日もスカイマークに関連したことをもう少しばかり。
昨日のブログでは航空会会社にとっての重要指標である定時運航率に触れましたが、スカイマークがもうひとつ1位になっている指標がありました。
それは欠航率です。
数字の意味合いとしては予定していた便に欠航が生じていないかを示すもので、これは数字が低いほどに欠航が少なく、望ましい状態だと言えるものです。
定時運航率も良いから、欠航も少ないんだね、という風に安易に結び付けて捉えてしまいがちですが、よく考えるとこの2つの指標を並び立たせるのは非常に難しいことが分かります。
なんらかの要因によって発着が遅延した場合、それを欠航にしてしまえば定時運航率は保たれます。
一方で欠航率を限りなくゼロに近付けていこうとすると、何らかの遅れが生じてもそこで欠航とせずに飛行機を飛ばさなければなりません。
ただ、その場合は定時運航率が下げる要因になっていきます。
それゆえ、この2要素を並び立たせるのは容易ではなく、非常に高いレベルでオペレーションがなされていたり、イレギュラー対応も迅速に行われることなしに、それは実現できない結果ですね。
こうして2つの要素を並びたてるのが難しい状況というのは、経営をしていれば必然的に生じるものだし、むしろそうした類のほうが多いはずです。
なぜなら、1つの取り組みによって全方位的に良い結果がもたらされることであるならば、これまでのプロセスでおそらくそうしたものは為されてきているからです。
長く経営をしながら改善を重ねてくると、前述したように誰にとっても良いことで比較的簡単に状況を改善できる余地は次第に少なくなっていきます。
だからその先に残っている課題というのは、あちらを立てればこちらが立たずといった、二律背反するような難しい事柄が残っていくわけですね。
また往々にしてマーケットのニーズというものも、提供者側にとっての難しさと符合する部分にこそ存在していたりするものです。
最も分かりやすい例でいえば、「リーズナブルさ」と「質の良さ」の両立といったことでしょうし、それは「デザイン性」と「機能性」であったりもします。
いずれにしても経営やクラブ運営をしていくなかでも、スタンダード以上の提供価値にしていこうと考えるなら、こうした難しい課題を解決していくほかありません。
フィットネスクラブでいえばリテンションがそれにあたるでしょうし、会社でいえば人材育成だったりはその類でしょう。
そうした問題と腰を据えて向き合い、改善に向けた建設的で地道な取り組みを重ねていくのが何よりも大事なことだと思います。
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by biz-365
| 2018-08-22 19:00
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