2018年 08月 16日
8月16日(木):拡張とその先 |
先週の日経産業新聞には国際電気通信基礎技術研究所、石黒浩特別研究所が新たに開発したシステムに関する記事がありました。
内容としては直接的に機械の操作をすることなしに、脳波を利用してロボットアームを動かすことができるというものです。
これまでもブレイン・マシン・インターフェースとして、脳からの情報入力による機械操作などは研究が行われてきました。
脳の神経ネットワークに流れる微弱な電流から出る脳波や脳活動による血流量変化などを検知し、それを機械への入力・命令へ変換することによって機器を動かす、といった仕組みですね。
そうしたなかで今回の研究における新規性はロボットアームにおける操作に対して、腕を動かすイメージではなく、動作を意図した時の脳波を利用するという形式です。
これまでのイメージによる捜査の場合は、操作時には体を制止して強く集中する必要があり、他の作業を並行して行うことは難しいほか、体の一部を動かすことを想像するために、本来は存在しない3本目の腕の動作のようなイメージはハードルが高かったと言います。
それに対して今回は事前に動作をイメージした時の脳波を記録し、動作をする時の意図を活用することで、何か別のことをしながらでもロボットアームの操作が可能になるとのことです。
実際にこの形式で実験をしたところ20代~30代の人では、15人中8人は85%の精度でロボットを操ることができ、残りの人は50%程度の精度だったと記載がありました。
これは脳のネットワーク、注意の振り向け方における個人差によるものなのだと思いますが、システムの精度が向上していけば一般的な利用に耐えられる状況になっていく可能性は大きいでしょうね。
今回のシステムがもたらす産物としては、人間が通常の作業をしながら、それと並行して別な作業ができるという部分で、言わば人の作業領域の拡張です。
現在は開発段階だから単純なロボットアームの操作ですが、仮にネットワークと接続した形で何らかの動作をアウトプットすれば、遠隔操作もできるわけですからね。
ここまでいくと完全にガンダムにおけるサイコミュの世界です。(ちなみにサイコミュはサイコ・コミュニケーションの略です)
「拡張の世紀」という書籍も出版されている通りですが、テクノロジーの進化と活用によって、人のできること、機械のできること、現実空間と仮想空間の融合など、様々な領域における拡張が進むのは確かでしょう。
こうした拡張する世界のなかで、それと自分がどう関与していくのかは、やはり考えるべきひとつの事柄だと思います。
活用すべきは活用するということかもしれないし、そうしたものは必要ないという方もいるはずで、そうした自分のスタンスですね。
また拡張が加速をしていけば、その先では必ず何らかの問題が出てきます。
拡張をしていくことで、どこかで何かとぶつかり合うのもそうだし、拡張によって中空になっていくこともあると思います。
いずれにせよ拡張が進むなかでは、その制御が必要になってきます。
それは物理的な制御はもちろんこと、自分のなかでの内面の制御です。
先の例のようにテクノロジーの発達、拡張が進むからこそ、問われるべきは人間の成熟になってくると思います。
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by biz-365
| 2018-08-16 17:24
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