2017年 12月 15日
12月15日(金):超人にいたる2つの条件 |
先般の日経新聞には「AI 教材ゼロで超人に」と題した記事がありました。
このブログ読者はご存知の方も多いでしょうが、こちらは囲碁AIの「アルファ碁ゼロ」に関する記事ですね。
データ処理、アウトプット精度の向上のために従来であれば膨大なデータを読み込ませてAIに学習をさせるのが一般的でしたが、先のアルファ碁ゼロの場合は初期にルールを授けるのみで、あとは完全なる自己学習によって高みに達した点が特筆されているものです。
この自己学習を始めた3日後には人間の囲碁王者に勝利した囲碁AIのアルファ碁を圧倒する存在になっていたわけですが、そのスピード感は圧巻でしょう。
そんな急速な成長を支えている要素は2点ですね。
1つ目は「圧倒的な量」であり、前述した自己学習をはじめて3日の段階では自己対局は約500万回に近い状態に至っています。
この尋常ならざる量、そこでの反復というものが独学を支える主たる要因だと言えます。
また2つ目は適切な振り返りとしての総括です。
先に圧倒的な量としての自己対局をあげましたが、ただ闇雲に回数だけを重ねるのではなく、2万5,000回の対局ごとに区切りを設けて、その時点のおける有効な勝ちパターンのようなものを整理する作業があったと言います。
こうした適切な総括があることで、そこまでの内容を有効な知見として積み上げるのに寄与しているのだと思います。
圧倒的な量、そして一定期間ごとの適切な総括、この2点が自己学習による飛躍を支えているのは明らかでしょう。
この点は当然ながら人間にも当てはめて考えることができるものですね。
他を凌駕するだけの量としてのインプットとアウトプットを繰り返し、相応な期間ごとでの適切な総括を行う独学をしていけば、脳内に独自のネットワークができることを示唆してくれています。
ここでの脳内のネットワークは完全に独自化され、固有のものとして育ちます。
なぜなら、そこにいたるプロセスそのものの集積であり、経験や価値観の産物でもあるからです。
実際にアルファ碁ゼロをとってみても、その思考のネットワークというものはブラックボックス化されていて、開発者であってもその全容をつかめていない通りです。
それだけに、ある意味ではアンコントローラブルなところもあるわけですが・・・
いずれにせよAIではない人間であれば、なおのことでしょう。
見た目やファッションなどで他人との違いを装ったり、自己主張をするのも良いですが、そんなことをせずとも自分が固有の存在であることを支える最たるものは、この脳内のネットワークです。
仕事人という一側面で人間を捉えれば、それこそがアウトプットにおける大きな違いをもたらす要因ですからね。
そうした脳内ネットワークに対して自覚的であるかどうか、私はこの点が大事なことだと思っています。
by biz-365
| 2017-12-15 20:10
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