2017年 10月 21日
10月21日(土):「トライブ(部族社会)」×「バンド(小規模血縁集団)」 |
昨日は興味をもって学んできている伝統的社会について触れました。
そこでも記載しましたが私は数年前の小型クラブ構想段階から「健康を基軸にした村をつくる」と周囲に説明をしてきたように、共同体というものを意識してきました。
現在は様々なコミュニティが希薄になっているのは周知の通りですが、そうしたものが色濃く残っていたのは村であり、もっといえば伝統的社会です。
そんなこともあって関連の書籍などに触れつつ、自分なりの理解を深めている次第です。
共同体の在り方というものは、そこに属する人数やそれに伴って生じる政治の中央集権化の度合いなどによって、その性格が変わってきます。
例えばエルマン・サーヴィスが前述したような観点のもとに4分類したものでいえば規模の小さいものから順に次のようになります。
・小規模血縁集団(バンド)
人口が少なく、成員の誰もが互いをよく知り、一堂に会しての議論で集団の合意ができる。平等主義、民主的で富の偏在も小さい。
・部族社会(トライブ)
数百人の局地的な集団で構成される社会、以前として成員は誰もが顔見知りで見知らぬ他人はいない程度の集団規模、小規模血縁集団の延長線上で比較的平等主義で、経済活動の専門化はなされていない状態。
・首長制社会(チーフダム)
数千人の人口を抱える複雑に組織された社会、人口が増えて経済活動の専門化が進む。成員全員が互いに顔見知りになることは難しく、一堂に会しての議論も不可能。組織の維持・統制のために共通のイデオロギーと政治的・宗教的アイディンティティの保持。また経済面では再分配がなされ、制度化された不平等が現れる。
・国家(ステート)
現代の世界全体に普及している社会、人口の増大により成員は「他人」の関係、経済活動の専門化・階層化、政治は間接的・官僚化が起こる。
ざっとこんな感じですね。
私たちが形にしようとしている小型クラブは会員数でいえば200名~300名といった規模感なので、先の分類でいえば部族社会としての「トライブ」に該当します。
これはトレーナーがお客様のことを完全なる個人として認識して個別対応ができ、かつ会員さまの個々が互いを確実に認知できる規模の社会、共同体です。
小型クラブでは「人間的な関係のもとで一生涯にわたってお付き合いをする」ことを志向していますが、それを実現しようと思ったらこの規模までのダウンサイジングが必要になります。
「お客様の個々に合ったサービスを」とか、「お客様一人ひとりに」ということを建前ではなく、本気でやろうとするなら、こうした規模感にしていくことが不可欠ですね。
また各レッスンでいえば最大で10名以内の小グループという形をとっていて、この部分にフォーカスをすれば小規模血縁集団の「バンド」に当たります。
そして通う曜日と時間を決めて習慣化をしてもらう形にしているから、このバンドメンバーの関係性は必然的に深まったものになっていきます。
このような形で「トライブ(部族社会)」×「バンド(小規模血縁集団)」の掛け合わせとしての共同体が、ALIVEという村の設計思想の一側面です。
最近はビジネスのなかでもコミュニティの重要性が言われるようになってきましたが、コミュニティというものもそれを漠然と捉えるのではなく、掘り下げて論理で考えることが大切だと思います。
by biz-365
| 2017-10-21 11:46
|
Comments(0)