2017年 07月 08日
7月8日(土):「トレードオフ」からの「ブレイクスルー」 |
昨日は「『不』と『トレードオフ』」と題したブログでした。
そこでは「痛くないハイヒール」の商品を例に取りながら、ハイヒールにおいて従来はユーザーが選択しなければならないトレードオフに触れました。
具体的には「痛みを我慢してハイヒールを履く」のか、「ドレスアップを我慢して痛くない靴を履く」というなかでの綱引きですね。
このようなトレードオフの関係は、どちらかを取ればどちらかを諦めるというように、双方が並び立たないので、この状況下での選択には必ず何らかを我慢する「不」が伴ってきます。
かねてからこのブログでも記してきたように「未解決の不」はニーズであり、商品開発の起点になるべきものです。
そんな不を探すうえではトレードオフにある関係に目を向けると良い、昨日はそんな話をしたと思います。
本日はこれに関連したことをもう少しばかり。
自社の小型クラブでいえば、そのビジネスモデルを構想する際、私が明確にアタマのなかに描いていたことのひとつは従来のフィットネス業界に存在していたあるトレードオフの関係性をクリアにすることでした。
それは「価格と成果」の関係性ですね。
短期間での集中的なダイエットやパーソナルトレーニングなど、成果にフォーカスをした業態の場合は、どうしたって価格が高くなります。
額にして言えば2ヶ月ほどで支払う金額が数万円~数十万円といったものですね。
一方、以前に比べればリーズナブルなフィットネスクラブも増えましたが、そうしたクラブの多くは無人やローコストオペレーションゆえ、ユーザーに対するサポートは不十分であるため、成果という面ではどうしたって乏しいものがあります。
低価格から高価格帯まで幅広いクラブがあることは、マーケットにおいてユーザーに対する選択肢であるから、そうしたラインナップが増えること自体は望ましいことだとは思っています。
そうしてラインナップが増えた一方で価格と成果の関係性でいえば、従来と変わらず一定です。
しっかりとした成果を望むなら金額は高くなり、出来る限り金額を抑えたいと思えばそれなりのサービスしか受けられない、という状態ですね。
横軸が成果、縦軸が価格のマトリクスを作り、この状態にある様々なモデルのクラブをプロットしてみると、それは一定の幅を持った右肩上がりの直線ができるはずです。
この右肩上がりの直線というのは、つまり「y=ax+b」で表すことができる一次関数です。
そのため支払う金額が決まれば得られる成果も一定の幅で概ね決まる、逆に自分が望む成果の如何によって支払うべき金額が必然的に決まってくる、とも言えます。
こうした関係性のなかにあると「リーズナブルさ」と「成果」というのは綱引き状態としてのトレードオフになります。
昨日にも触れたようにトレードオフがあるところには当然ながらに「不」が包含されています。
ユーザーからすれば最も望ましいのは「リーズナブル」でありながらも「確かな成果」が得られるのが最も嬉しいわけですからね。
だからこそ従来は並び立たなかったこの2つを両立させよう、というのが自社でやっている小型クラブです。
現在のビジネスモデルに至ったのはこれが全ての理由ではありませんが、本日に説明したような点が大きな一因を占めているのは紛れもないことです。
ユーザーが我慢をしていた従来のトレードオフをクリアにすること、それが自社の小型クラブが実践するひとつのブレイクスルーだと思っています。
by biz-365
| 2017-07-08 12:16
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