2015年 03月 28日
3月28日(土):「ライン拡大」の罠 |
昨日はコカ・コーラの新商品である「コカコーラ・ライフ」に関するブログを記しました。
本日はこれに関連し、マーケティングの観点からの話を少しばかりしようと思います。
昨日も記した通り、「コカコーラ・ライフ」の商品コンセプトは同社HPに記載されている以下の内容です。
↓↓↓
自然派志向が高く健康的な生活を送ることに気をかけている大人の層に、炭酸飲料の新しい選択肢を提供します。
生活の中に自然を取り入れながら健康的な人生を楽しみたいと感じている人たちに向けて、「人生(ライフ)をもっと味わおう」というメッセージのもと、「コカ・コーラ」らしいはじける爽やかなおいしさをお届けいたします。
(ここまで)
ここで考えてほしいのは、このようなコンセプトの商品を具現化するにあたって、商品名に「コカ・コーラ」を冠する必要があったのか、ですね。
これはネーミングであり、ポジショニングであり、マーケティングに関する重要な意思決定事項です。
このように従来の基幹商品名を冠してラインを拡大していくのは多くの企業で行われていることです。
なかには上手くいくケースもありますが、全体で言えばはるかに失敗例の方が多いのが実態ですね。
もちろん既存ブランド名を冠したライン拡大にメリットがないわけではありません。
それはマーケットで認知されるスピードが格段に上がることでしょう。
今回だって私が新商品発売から間もなくのタイミングで取り上げているのは、これがコカコーラ名を冠したものだからだと思います。
これまで耳にしたこともないような商品名であれば、そうはなっていなかったと言えるでしょうかね。
このようにして素早く商品がマーケットに浸透していく一方、廃れてしまうのが早い面は否めません。
またブランド名を冠したライン拡大における最大の特徴は旧来商品のイメージが付いて回ることです。
商品名の一部にコカ・コーラという名前が付いていれば、そこには否応なくコカ・コーラが持つイメージがセットになります。
プラスのイメージとしては「爽快感」であり、メジャーブランドが持つ「馴染み」はあるでしょう。
対するマイナスのイメージとしては「カラダに悪い」「ただの褐色の砂糖水」といったあたりですかね。
今回の新商品で言えば健康的なコンセプトを強調しているけれど、これはコカ・コーラが持つマイナスイメージと完全に矛盾をするものです。
ここでの掛け合わせで相乗効果が起きるような場合は良いですが、今回のように逆行する場合では商品の良さは確実にぼやけてしまいますね。
当然ながら商品は中途半端な存在になっていきます。
言うなれば「いつものコーラほどうまくはないけど、健康にも少しばかり気を遣って砂糖の量を減らしてみました」という商品なので、熱烈なファンを作るのは難しいということです。
さらに言うと、このようなライン拡大をすることで、時には旧来のブランドの魅力を毀損するケースもありますね。
それは先のような中途半端な商品をすることで、そのブランドが「何をしたいのかが分からない」ように見えてしまったり、それによってイメージを損なってしまうからです。
今回は旧来商品と異なるコンセプトの商品でしたが、なかにはこれまでハイエンド市場を扱っていたブランドがシェア拡大のためにミドルエンドに進出する、なんてケースも良くあります。
その際に旧来のブランドを冠してしまうと、旧来のブランドが持つハイエンドな優越感が薄れてしまい、以前の顧客が離反をしてしまうことは往々にしてあることですね。
このあたりが旧来のブランドを冠したライン拡大によって陥りやすい罠でしょう。
商品のネーミングはマーケティングにおけるポジショニングと密接に関係し、それは顧客創造と直結する戦略的な重要事項です。
それだけに売り手の都合だけではなく、ユーザーのアタマの中にどう位置付けられるかを考え抜くことが大事だと思います。
本日はこれに関連し、マーケティングの観点からの話を少しばかりしようと思います。
昨日も記した通り、「コカコーラ・ライフ」の商品コンセプトは同社HPに記載されている以下の内容です。
↓↓↓
自然派志向が高く健康的な生活を送ることに気をかけている大人の層に、炭酸飲料の新しい選択肢を提供します。
生活の中に自然を取り入れながら健康的な人生を楽しみたいと感じている人たちに向けて、「人生(ライフ)をもっと味わおう」というメッセージのもと、「コカ・コーラ」らしいはじける爽やかなおいしさをお届けいたします。
(ここまで)
ここで考えてほしいのは、このようなコンセプトの商品を具現化するにあたって、商品名に「コカ・コーラ」を冠する必要があったのか、ですね。
これはネーミングであり、ポジショニングであり、マーケティングに関する重要な意思決定事項です。
このように従来の基幹商品名を冠してラインを拡大していくのは多くの企業で行われていることです。
なかには上手くいくケースもありますが、全体で言えばはるかに失敗例の方が多いのが実態ですね。
もちろん既存ブランド名を冠したライン拡大にメリットがないわけではありません。
それはマーケットで認知されるスピードが格段に上がることでしょう。
今回だって私が新商品発売から間もなくのタイミングで取り上げているのは、これがコカコーラ名を冠したものだからだと思います。
これまで耳にしたこともないような商品名であれば、そうはなっていなかったと言えるでしょうかね。
このようにして素早く商品がマーケットに浸透していく一方、廃れてしまうのが早い面は否めません。
またブランド名を冠したライン拡大における最大の特徴は旧来商品のイメージが付いて回ることです。
商品名の一部にコカ・コーラという名前が付いていれば、そこには否応なくコカ・コーラが持つイメージがセットになります。
プラスのイメージとしては「爽快感」であり、メジャーブランドが持つ「馴染み」はあるでしょう。
対するマイナスのイメージとしては「カラダに悪い」「ただの褐色の砂糖水」といったあたりですかね。
今回の新商品で言えば健康的なコンセプトを強調しているけれど、これはコカ・コーラが持つマイナスイメージと完全に矛盾をするものです。
ここでの掛け合わせで相乗効果が起きるような場合は良いですが、今回のように逆行する場合では商品の良さは確実にぼやけてしまいますね。
当然ながら商品は中途半端な存在になっていきます。
言うなれば「いつものコーラほどうまくはないけど、健康にも少しばかり気を遣って砂糖の量を減らしてみました」という商品なので、熱烈なファンを作るのは難しいということです。
さらに言うと、このようなライン拡大をすることで、時には旧来のブランドの魅力を毀損するケースもありますね。
それは先のような中途半端な商品をすることで、そのブランドが「何をしたいのかが分からない」ように見えてしまったり、それによってイメージを損なってしまうからです。
今回は旧来商品と異なるコンセプトの商品でしたが、なかにはこれまでハイエンド市場を扱っていたブランドがシェア拡大のためにミドルエンドに進出する、なんてケースも良くあります。
その際に旧来のブランドを冠してしまうと、旧来のブランドが持つハイエンドな優越感が薄れてしまい、以前の顧客が離反をしてしまうことは往々にしてあることですね。
このあたりが旧来のブランドを冠したライン拡大によって陥りやすい罠でしょう。
商品のネーミングはマーケティングにおけるポジショニングと密接に関係し、それは顧客創造と直結する戦略的な重要事項です。
それだけに売り手の都合だけではなく、ユーザーのアタマの中にどう位置付けられるかを考え抜くことが大事だと思います。
by biz-365
| 2015-03-28 10:54
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