2015年 02月 11日
2月11日(水):「誰に」「何を訴求して」集客してきたのか |
先般にはワタミが上場来、初の赤字に転落したとの報道がありました。
その主たる要因は居酒屋の不振によるものですね。
なかでも主力であった居酒屋における低価格業態の値上げによって、若年層の客足が遠のいたと新聞記事では記されています。
このワタミの居酒屋における離反は、必然性が高い動きだと思います。
それはこれまで「誰を」「何の訴求で」集客してきたのかを考えれば、分かるはずです。
ワタミはリーマンショック以降、特に主力の居酒屋業態ではメインの価格帯を280円から380円に設定し、その「安さ」を前面に打ち出してきました。
これまで訴求の中心で曲がりなりにも中核的価値であった「安さ」を値上げによって外してしまえば、特徴のない状況になるのは当然のことでしょう。
今まで武器としていたものを装備から外してしまったわけですから・・・。
言うなれば丸腰になってしまったようなものです。
これでは満足に戦えないのも無理はないはずです。
念のため補足をしておくと、もちろん値上げ自体が悪いわけではありません。
必要な値上げ、正しい値上げというものはありますからね。
今回のワタミで言えば価格の「安さ」に代わる、何らかの別な武器を持っていれば(育てていれば)結果は違ったでしょう。
また提供している商品のクオリティーを高めて、「提供価値題>提供価格」という構図を鮮明にしておくこともひとつですね。
方法論はいろいろありますが、簡単に言えば価格訴求以外に集客を補完できる要素を作り上げていたかどうかです。
そのような段階を踏んだり、備えもしたうえで、適切な価格設定にするための値上げであれば、現状とは違う目を出す可能性があったでしょう。
逆にそういったものが欠けた状態で値上げを敢行すると、冒頭に記したような結果になってしまうのも致し方ないですね。
以前にはマクドナルドの値上げについても触れましたが、値付けについてはこういった事例からポイントになる観点を学んでおくことが大事だと思います。
by biz-365
| 2015-02-11 17:10
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