2013年 07月 29日
7月29日(月):平均寿命の延伸も良いけれど・・・ |
先週には2012年における日本の平均寿命が発表されました。
女性は86.41歳で世界1位に、そして男性は79.94歳で世界5位となっています。
東日本大震災があった2011年比で言えば、そのような不慮の死亡が減少したことで平均寿命を押し上げた格好です。
さて、この健康寿命に関連する新聞記事では3大死因の悪性新生物、心疾患、脳血管疾患がすべて克服されれば、平均寿命は女性で6.17歳、男性で7.37歳延びるとした厚生省の試算が掲載されていました。
また同記事には厚労省の「死因上位の死亡率の改善が続いており、今後も平均寿命が延びる余地がある」とのコメントが寄せられていましたが、これにはどうにも・・・、という感じです。
先に記した3大死因が完全に克服された場合の平均寿命の延伸は、「現時点の0歳」を対象にしたものだから、そもそも論として多くの日本人がこれを享受するものではありませんし、少なくとも現時点で根絶には至っていないわけですからね。
また死因上位の死亡率改善についても、医療水準が徐々に向上してきた背景を考えれば、時間経過によって下の世代になるごとにそれらの罹患率が下がるのはある意味自然なことであって、それが平均寿命の延びにもつながってきたのものなので。。。
私としては3大死因に手を入れて平均寿命を延ばすアプローチよりも、ほかにやるべきことがあるだろうにと思いますよ、ホントに。
既にこれらの予防に関しては十分な効果を得ていて、そこの掘り下げによる伸びシロが小さいことはデータを見れば分かりますね。
横軸を年齢、縦軸を死亡率とした総死亡率曲線では、成人後には加齢とともに死亡率が直線的に上がるグラフとなります。
これに死因別の死亡率として悪性新生物、心疾患、脳血管疾患のグラフを重ねあわせると、それらはほぼ平行した直線を描きます。
大きな変曲点を持たないこれらのグラフが何を示しているかといえば、それは予防のアプローチが飽和に近づき、これによる死亡率改善の伸びシロがほとんどないことを意味しています。
平成23年度版ですが、厚労省の簡易生命表における「特定死因を除去した場合の平均余命の延び」は以下の通りです。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life11/dl/life11-10.pdf
詳細はサイトを見てもらえれば良いですが、現在65歳の男性ならば悪性新生物の除去で2.93歳、心疾患で1.12歳、脳血管疾患で0.72歳です。
これが現在75歳の男性ならば、悪性新生物で1.97歳、心疾患で0.94歳、脳血管疾患で0.62歳です。
前述した3大死因それぞれの克服によって10歳ぐらい平均余命が延伸するなら分かりますが、これを見る限りは現時点でも良くて1~2歳ぐらいなものでしょう。
日本は現時点で世界に冠たる長寿国になっているのだから、あとはどこまでを求めるのかと、それに要する費用を考えるべきだと思います。
日本に有り余るお金があるなら、平均寿命100歳を目指して投資をするのも悪くないでしょうが、今はまったくもってそういう状況にはありませんからね。
国家の財政が火の車だというときに、伸びシロが小さいところに費用と労力を突っ込むことの意義がどれだけあるのかです。
私は足るを知るで良いと考えていますから、あとは現状の平均寿命に伴ったQOLの改善に正しい費用と労力を注ぐべきだと思います。
女性は86.41歳で世界1位に、そして男性は79.94歳で世界5位となっています。
東日本大震災があった2011年比で言えば、そのような不慮の死亡が減少したことで平均寿命を押し上げた格好です。
さて、この健康寿命に関連する新聞記事では3大死因の悪性新生物、心疾患、脳血管疾患がすべて克服されれば、平均寿命は女性で6.17歳、男性で7.37歳延びるとした厚生省の試算が掲載されていました。
また同記事には厚労省の「死因上位の死亡率の改善が続いており、今後も平均寿命が延びる余地がある」とのコメントが寄せられていましたが、これにはどうにも・・・、という感じです。
先に記した3大死因が完全に克服された場合の平均寿命の延伸は、「現時点の0歳」を対象にしたものだから、そもそも論として多くの日本人がこれを享受するものではありませんし、少なくとも現時点で根絶には至っていないわけですからね。
また死因上位の死亡率改善についても、医療水準が徐々に向上してきた背景を考えれば、時間経過によって下の世代になるごとにそれらの罹患率が下がるのはある意味自然なことであって、それが平均寿命の延びにもつながってきたのものなので。。。
私としては3大死因に手を入れて平均寿命を延ばすアプローチよりも、ほかにやるべきことがあるだろうにと思いますよ、ホントに。
既にこれらの予防に関しては十分な効果を得ていて、そこの掘り下げによる伸びシロが小さいことはデータを見れば分かりますね。
横軸を年齢、縦軸を死亡率とした総死亡率曲線では、成人後には加齢とともに死亡率が直線的に上がるグラフとなります。
これに死因別の死亡率として悪性新生物、心疾患、脳血管疾患のグラフを重ねあわせると、それらはほぼ平行した直線を描きます。
大きな変曲点を持たないこれらのグラフが何を示しているかといえば、それは予防のアプローチが飽和に近づき、これによる死亡率改善の伸びシロがほとんどないことを意味しています。
平成23年度版ですが、厚労省の簡易生命表における「特定死因を除去した場合の平均余命の延び」は以下の通りです。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life11/dl/life11-10.pdf
詳細はサイトを見てもらえれば良いですが、現在65歳の男性ならば悪性新生物の除去で2.93歳、心疾患で1.12歳、脳血管疾患で0.72歳です。
これが現在75歳の男性ならば、悪性新生物で1.97歳、心疾患で0.94歳、脳血管疾患で0.62歳です。
前述した3大死因それぞれの克服によって10歳ぐらい平均余命が延伸するなら分かりますが、これを見る限りは現時点でも良くて1~2歳ぐらいなものでしょう。
日本は現時点で世界に冠たる長寿国になっているのだから、あとはどこまでを求めるのかと、それに要する費用を考えるべきだと思います。
日本に有り余るお金があるなら、平均寿命100歳を目指して投資をするのも悪くないでしょうが、今はまったくもってそういう状況にはありませんからね。
国家の財政が火の車だというときに、伸びシロが小さいところに費用と労力を突っ込むことの意義がどれだけあるのかです。
私は足るを知るで良いと考えていますから、あとは現状の平均寿命に伴ったQOLの改善に正しい費用と労力を注ぐべきだと思います。
by biz-365
| 2013-07-29 19:52
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