2013年 06月 06日
6月6日(木):商品と顧客対象に応じた価格レンジ |
昨日の日経新聞にはユニクロの5月既存店売上が前年比10.9%増になったとの記事がありました。
このようになった背景として記事では夏物衣料の売上が伸びたことと、5月下旬の誕生感謝祭によるものだとしています。
その一方で肌着などの実用衣料は消費者の低価格志向が強く、ユニクロの客単価は6ヶ月連続で前年を下回り続けているようですね。
この客単価下落は扱っている商品と顧客対象を考えれば、私はある意味で必然的なもののようにも感じます。
ユニクロが扱っているのは「ベーシックカジュアル」と言う通り、ベーシックなものですからね。
ベーシックなものにかける金額というのは、ポイントとなる商品にかける金額よりも、当然ながら低く抑えたいというのが一般的な消費者心理です。
良いものならば高いお金を出しても構わないという人はもちろん存在しますが、ユニクロが顧客対象としているのはあくまでもボリュームゾーンとしての大衆層で、そのような人ではありません。
ヒートテックやエアリズムなどは高い機能性で肌着としての新しい需要を創出したとは思いますが、そうは言ってもカテゴリーは肌着なわけです。
大衆層が肌着に対して拠出しても良いと考える金額には上限があって、その価格帯としてのレンジを超えてしまうと商品に手は伸びなくなるでしょう。
これは売上が同じように前年割れをして、新商品販売が上手く伸びなかったマクドナルドと同じ現象として説明がつきます。
マクドナルドも一時は2週間刻みぐらいで新商品を投入し、客単価の向上を狙った少し高めの商品を連発しましたが、ここに消費者の手は伸びませんでした。
ハンバーガーの市場というのは完全に大衆市場であり、ボリュームゾーンを相手にしたサービスです。
このようなファストフード店でのランチ等で消費者が拠出しても良いと思う金額には、やはり上限があるわけです。
そこを超えてしまうと、このような形で如実に消費者の動向が変わるわけですね。
そしてユニクロの場合も同じような状況になりつつあると思います。
市場投入の初期は機能的価値で従来商品よりも高値で売れるけれども、そこは市場ですからね。
消費者はより安さを求めるし、競合が類似商品の投入もしてきます。
肌着のような市場であれば大きな参入障壁もないので、このような動きはより活発化をします。
そのなかでユニクロが販売数量を維持しようと思えば、割引販売をすることも強いられるでしょう。
ご存知の方も多いでしょうが、最近のユニクロは毎週のように金曜日から月曜日までの4日間で割引を行い、且つその中での日替わり限定セールなどを組み合わせていて、そこでは毎度のように肌着は割引対象です。
そうなると、この割引価格がほぼ販売単価に近い状態になるので、単価の下落も当然です。
こうやって時間経過とともに、このような動きが積み重なっていくと、肌着は肌着としての価格帯へ必然的に収斂していくだろうと言うのが冒頭に述べた、私がある意味で必然だと思うとした理由ですね。
やはり大衆層を相手にする場合は、対象となる商品について大衆が許容する価格レンジを常に意識する必要があると思いますね。
ただ、ファストフードのマクドナルドと違ってユニクロの衣料では、機能的価値によって新しい需要を創出することができる産業ですし、一定期間はその優位性によるプレミアム価格による利益を享受することが可能です。
その意味において、プロダクトライフサイクルを補うだけの連続的なイノベーションがあれば、大衆市場を相手にしつつも競合他社よりも高値設定をすることはできるはずです。
それは口で言うほど簡単なことではありませんが、このような市場に身を置いている以上は不可避ですからね。
自分が属している市場、扱っている商品、対象としている顧客層、このなかでイニシアチブを取るために最善を尽くしていくことが大切だと思います。
このようになった背景として記事では夏物衣料の売上が伸びたことと、5月下旬の誕生感謝祭によるものだとしています。
その一方で肌着などの実用衣料は消費者の低価格志向が強く、ユニクロの客単価は6ヶ月連続で前年を下回り続けているようですね。
この客単価下落は扱っている商品と顧客対象を考えれば、私はある意味で必然的なもののようにも感じます。
ユニクロが扱っているのは「ベーシックカジュアル」と言う通り、ベーシックなものですからね。
ベーシックなものにかける金額というのは、ポイントとなる商品にかける金額よりも、当然ながら低く抑えたいというのが一般的な消費者心理です。
良いものならば高いお金を出しても構わないという人はもちろん存在しますが、ユニクロが顧客対象としているのはあくまでもボリュームゾーンとしての大衆層で、そのような人ではありません。
ヒートテックやエアリズムなどは高い機能性で肌着としての新しい需要を創出したとは思いますが、そうは言ってもカテゴリーは肌着なわけです。
大衆層が肌着に対して拠出しても良いと考える金額には上限があって、その価格帯としてのレンジを超えてしまうと商品に手は伸びなくなるでしょう。
これは売上が同じように前年割れをして、新商品販売が上手く伸びなかったマクドナルドと同じ現象として説明がつきます。
マクドナルドも一時は2週間刻みぐらいで新商品を投入し、客単価の向上を狙った少し高めの商品を連発しましたが、ここに消費者の手は伸びませんでした。
ハンバーガーの市場というのは完全に大衆市場であり、ボリュームゾーンを相手にしたサービスです。
このようなファストフード店でのランチ等で消費者が拠出しても良いと思う金額には、やはり上限があるわけです。
そこを超えてしまうと、このような形で如実に消費者の動向が変わるわけですね。
そしてユニクロの場合も同じような状況になりつつあると思います。
市場投入の初期は機能的価値で従来商品よりも高値で売れるけれども、そこは市場ですからね。
消費者はより安さを求めるし、競合が類似商品の投入もしてきます。
肌着のような市場であれば大きな参入障壁もないので、このような動きはより活発化をします。
そのなかでユニクロが販売数量を維持しようと思えば、割引販売をすることも強いられるでしょう。
ご存知の方も多いでしょうが、最近のユニクロは毎週のように金曜日から月曜日までの4日間で割引を行い、且つその中での日替わり限定セールなどを組み合わせていて、そこでは毎度のように肌着は割引対象です。
そうなると、この割引価格がほぼ販売単価に近い状態になるので、単価の下落も当然です。
こうやって時間経過とともに、このような動きが積み重なっていくと、肌着は肌着としての価格帯へ必然的に収斂していくだろうと言うのが冒頭に述べた、私がある意味で必然だと思うとした理由ですね。
やはり大衆層を相手にする場合は、対象となる商品について大衆が許容する価格レンジを常に意識する必要があると思いますね。
ただ、ファストフードのマクドナルドと違ってユニクロの衣料では、機能的価値によって新しい需要を創出することができる産業ですし、一定期間はその優位性によるプレミアム価格による利益を享受することが可能です。
その意味において、プロダクトライフサイクルを補うだけの連続的なイノベーションがあれば、大衆市場を相手にしつつも競合他社よりも高値設定をすることはできるはずです。
それは口で言うほど簡単なことではありませんが、このような市場に身を置いている以上は不可避ですからね。
自分が属している市場、扱っている商品、対象としている顧客層、このなかでイニシアチブを取るために最善を尽くしていくことが大切だと思います。
by biz-365
| 2013-06-06 20:01
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