2013年 02月 06日
2月6日(水):需給バランスが関係性を変える |
一昨日の日経新聞夕刊には「オーダーメード賃貸」に関する記事がありました。
ここでいうオーダーメード賃貸とは賃貸住宅でも、自分好みに借り手が壁紙を選んだり、室内を改造することができ(家主負担で)、賃貸住宅であってもカスタマイズができる物件のことですね。
このオーダーメード賃貸の良いところは、借り手が自分の希望に沿う家で暮らすことができ、家主は長く住んでもらうことで空室リスクが軽減できる、という相互メリットが成立する点にあります。
このような動きが広がっている裏側には、空家率が高まっていることが主たる要因として挙げられると思います。
5年に1回行われる総務省の住宅・土地統計調査によれば2008年の空室率は13.9%です。
以下は総務省のデータから拝借したグラフですが、空家率は前回調査比で約15%増になり、右肩上がりの状況が続いていることがわかるでしょう。
ここでいう空家率は「売却用住宅の空家率」「賃貸用住宅の空家率」「二次的住宅(別荘など)の空家率」「その他の住宅の空家率」に大別され、もちろんここには賃貸住宅の空室率も含みます。
空き家となっている757万戸の内訳をみると、「賃貸用の住宅」が413万戸で空き家全体の54.5%を占めて、その中心になっています。
一言でいえば供給過剰が強まっている状況ですね。
人口減少時代に入ったこともひとつですし、未婚率の増加と賃金低下で独立せずに親と同居する世帯や、離婚率の増加によっていわゆる出戻りによって親と同居する世帯も増えました。
こういった様々な要因によって、確実に借り手・買い手は減りつつある一方で、供給量は調整をされていませんから、そのなかでの選別が進んでいる状態だと思います。
かつて首都圏には団塊世代が大量に流入し、ドーナツ化現象といわれたように都心へ1.5時間圏までベッドタウンが広がりましたが、今はそこまで離れる人はほとんどいないでしょうから、距離による選別は強くなりました。
また最近では先の震災などを受けて、災害時の安全性といった観点からも、さらに選別は進んだといえるでしょう。
まずはそのような地域間格差というものが最初にあり、その次の段階としてその優良地域内において物件間での競争があるという状態ですね。
ここでのポイントは築年数や駅までの距離、家賃といった物件の個別要素です。
このような状況下で選んでもらうことが家主としては必要になりますから、冒頭に触れたオーダーメード賃貸はそういった文脈から出てきたものだと思います。
今回の事例から学ぶべきポイントのひとつは需給のバランスによって、売り手と買い手(今回の例では貸し手と借り手)の関係性が確実に変わっていくということでしょう。
まあ経済学で言えば当たり前のことで、あえて説明することでもないのですが、再確認として・・・。
需給バランスが変わり、相互の関係性が変わった状態では、売り手もこれまでとは異なる発想、アプローチをしていくことが大切です。
築年数が古くても、先のようなオーダーメードによってマイナス面を補って余りある状態をつくり、人を呼び込んでいる物件がある一方、従来とは変わらないアプローチのまま空室になっているところもありますからね。
自分の立ち位置がどうなっているのか、客観的に需給バランスを確認することで、それを見直すことも大切だと思います。
ここでいうオーダーメード賃貸とは賃貸住宅でも、自分好みに借り手が壁紙を選んだり、室内を改造することができ(家主負担で)、賃貸住宅であってもカスタマイズができる物件のことですね。
このオーダーメード賃貸の良いところは、借り手が自分の希望に沿う家で暮らすことができ、家主は長く住んでもらうことで空室リスクが軽減できる、という相互メリットが成立する点にあります。
このような動きが広がっている裏側には、空家率が高まっていることが主たる要因として挙げられると思います。
5年に1回行われる総務省の住宅・土地統計調査によれば2008年の空室率は13.9%です。
以下は総務省のデータから拝借したグラフですが、空家率は前回調査比で約15%増になり、右肩上がりの状況が続いていることがわかるでしょう。
ここでいう空家率は「売却用住宅の空家率」「賃貸用住宅の空家率」「二次的住宅(別荘など)の空家率」「その他の住宅の空家率」に大別され、もちろんここには賃貸住宅の空室率も含みます。
空き家となっている757万戸の内訳をみると、「賃貸用の住宅」が413万戸で空き家全体の54.5%を占めて、その中心になっています。
一言でいえば供給過剰が強まっている状況ですね。
人口減少時代に入ったこともひとつですし、未婚率の増加と賃金低下で独立せずに親と同居する世帯や、離婚率の増加によっていわゆる出戻りによって親と同居する世帯も増えました。
こういった様々な要因によって、確実に借り手・買い手は減りつつある一方で、供給量は調整をされていませんから、そのなかでの選別が進んでいる状態だと思います。
かつて首都圏には団塊世代が大量に流入し、ドーナツ化現象といわれたように都心へ1.5時間圏までベッドタウンが広がりましたが、今はそこまで離れる人はほとんどいないでしょうから、距離による選別は強くなりました。
また最近では先の震災などを受けて、災害時の安全性といった観点からも、さらに選別は進んだといえるでしょう。
まずはそのような地域間格差というものが最初にあり、その次の段階としてその優良地域内において物件間での競争があるという状態ですね。
ここでのポイントは築年数や駅までの距離、家賃といった物件の個別要素です。
このような状況下で選んでもらうことが家主としては必要になりますから、冒頭に触れたオーダーメード賃貸はそういった文脈から出てきたものだと思います。
今回の事例から学ぶべきポイントのひとつは需給のバランスによって、売り手と買い手(今回の例では貸し手と借り手)の関係性が確実に変わっていくということでしょう。
まあ経済学で言えば当たり前のことで、あえて説明することでもないのですが、再確認として・・・。
需給バランスが変わり、相互の関係性が変わった状態では、売り手もこれまでとは異なる発想、アプローチをしていくことが大切です。
築年数が古くても、先のようなオーダーメードによってマイナス面を補って余りある状態をつくり、人を呼び込んでいる物件がある一方、従来とは変わらないアプローチのまま空室になっているところもありますからね。
自分の立ち位置がどうなっているのか、客観的に需給バランスを確認することで、それを見直すことも大切だと思います。
by biz-365
| 2013-02-06 21:25
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