2012年 07月 19日
7月19日(木):欠いてはならない商業倫理 |
本日の日経新聞1面のトップ記事はツアーバスに関する内容でしたが、商業倫理の欠落を浮き彫りにしたものだったと思います。
約3ヶ月ほど前に関越道で起きた高速バスの事故を受け、国土交通省は5月から、旅行会社の依頼を受けて高速ツアーバスの運行を受託する貸し切りバス会社298社の監査を行っていました。
その際に各社へ事業継続の意思を確認したところ、100社以上が撤退を申し出た、とのことです。
また、その他では監査の前に既に事業から撤退していた企業もあり、この事業を手掛けていた企業数は350社以上もあったものが、一気に230社まで激減したという状況です。
高速ツアーバスの安全規制は20日から、400キロメートル以上を走る夜行バスは2人での乗務を求めることとして規制が強化をされます。
それによって貸し切りバス会社は運転者の増員に伴うコスト増となり、収益が確保できなくなる企業が受託の継続を断念したことが前述した結果につながった大きな要因でしょう。
人的な輸送を生業とする企業にとって、大前提となるものは当然ながら安全です。
これは何があっても欠いてはならないものでしょう。
それが価格競争のさなかで、どこかに忘れ去られてしまったわけです。
安全性を犠牲にしなければ収益が出ない状態になっているのなら、それはビジネスとしての構造・根幹が崩れています。
つまりは、やってはいけない価格競争を業界全体で作りだしてしまったということです。
100社以上が短期間に撤退していることから、多くの企業がそのような状態であったことは明白です。
それだけの企業が安全性を犠牲にしていながら、あれだけの大惨事に至るまで、業界内で自浄作用が全くと言ってよいほど働かなかったことも大きな問題です。
結果として大きな事故が起こり、利用者はサービスを提供する事業者に対して不信感を大きくしました。
また、多くの企業が撤退したことで、全体の便数などが減ることとなり、業界全体として利用者を失うことにもなっています。
企業や業界が商業倫理を欠き、自浄作用も機能しなかった結果として、業界全体がシュリンクする方向に向かってしまいました。
きちんとした商業倫理を持ち、安全性を担保したなかで収益が得られる適正な価格設定をし、現行の価格から500円や1,000円ほど値が上がった範囲で競争を行っていても、利用者が激減することはなかったでしょう。
利用者だって自分の身を危険に晒してまで、500円や1,000円の安さを追求するほどバカではありませんからね。
利用者が求めているものとしての価格競争ではなく、提供者側が自己の利益確保のために引き起こした誤った価格競争だったのではないかと思います。
利益云々の前に企業として守るべきものは何か、あるいは業界として果たすべき責任はどこにあるのか。
そういった商業倫理、職業意識というものは絶対に欠くべからざるものです。
少なくとも、今回の事例を反面教師として、自分たちはこういったことを絶対に起こさないようにすべきだと思います。
約3ヶ月ほど前に関越道で起きた高速バスの事故を受け、国土交通省は5月から、旅行会社の依頼を受けて高速ツアーバスの運行を受託する貸し切りバス会社298社の監査を行っていました。
その際に各社へ事業継続の意思を確認したところ、100社以上が撤退を申し出た、とのことです。
また、その他では監査の前に既に事業から撤退していた企業もあり、この事業を手掛けていた企業数は350社以上もあったものが、一気に230社まで激減したという状況です。
高速ツアーバスの安全規制は20日から、400キロメートル以上を走る夜行バスは2人での乗務を求めることとして規制が強化をされます。
それによって貸し切りバス会社は運転者の増員に伴うコスト増となり、収益が確保できなくなる企業が受託の継続を断念したことが前述した結果につながった大きな要因でしょう。
人的な輸送を生業とする企業にとって、大前提となるものは当然ながら安全です。
これは何があっても欠いてはならないものでしょう。
それが価格競争のさなかで、どこかに忘れ去られてしまったわけです。
安全性を犠牲にしなければ収益が出ない状態になっているのなら、それはビジネスとしての構造・根幹が崩れています。
つまりは、やってはいけない価格競争を業界全体で作りだしてしまったということです。
100社以上が短期間に撤退していることから、多くの企業がそのような状態であったことは明白です。
それだけの企業が安全性を犠牲にしていながら、あれだけの大惨事に至るまで、業界内で自浄作用が全くと言ってよいほど働かなかったことも大きな問題です。
結果として大きな事故が起こり、利用者はサービスを提供する事業者に対して不信感を大きくしました。
また、多くの企業が撤退したことで、全体の便数などが減ることとなり、業界全体として利用者を失うことにもなっています。
企業や業界が商業倫理を欠き、自浄作用も機能しなかった結果として、業界全体がシュリンクする方向に向かってしまいました。
きちんとした商業倫理を持ち、安全性を担保したなかで収益が得られる適正な価格設定をし、現行の価格から500円や1,000円ほど値が上がった範囲で競争を行っていても、利用者が激減することはなかったでしょう。
利用者だって自分の身を危険に晒してまで、500円や1,000円の安さを追求するほどバカではありませんからね。
利用者が求めているものとしての価格競争ではなく、提供者側が自己の利益確保のために引き起こした誤った価格競争だったのではないかと思います。
利益云々の前に企業として守るべきものは何か、あるいは業界として果たすべき責任はどこにあるのか。
そういった商業倫理、職業意識というものは絶対に欠くべからざるものです。
少なくとも、今回の事例を反面教師として、自分たちはこういったことを絶対に起こさないようにすべきだと思います。
by biz-365
| 2012-07-19 20:28
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