2011年 12月 17日
12月17日(土):サービス業の生産性 |
昨日の日経MJ一面にはサービス業の生産性に関する記事がありました。
具体的には「マルチタスク」の導入で一人あたりの労働生産性を高めているスーパー、旅館などの取り組みが紹介をされていました。
ここで言うところのマルチタスクとは、部門の縦割りで業務分担・人員配置をするのではなく、それを乗り越えて一人が他部門の仕事も複数こなす、といった意味合いです。
換言すれば「スタッフの多能工化」といったところでしょうか。
これはサービス業で生産性を高めるうえでは、非常に重要な手段だと思います。
かねてから、サービス業では製造業などと比べて生産性の低いことは問題視をされてきたことです。
ただ、サービス業には「無形性」や「同時性」といったサービス業としての特性がありますから、一律に製造業と比較をして優劣を論じる意味合いは少ないでしょう。
例えば製造業では市場が拡大する、あるいは自社のシェアが高まり、生産量が増して設備の稼働率が高まれば生産コストが下がって生産性は高まります。
一方のサービス業では前述した「同時性」、つまり商品の生産と消費というものが同時に起こる、サービス提供の瞬間に同時にそれらが発生するという特性があります。
それゆえ、大量生産で一気に生産コストを下げたり、提供する無形のモノをストックしておくといったことができませんから、生産性を高めることは簡単ではないし、製造業と同じモノサシで論じることが有用だとは思わないのです。
だからといって、サービス業の生産性を放置していいわけではなく、自社の業態に応じて適切な目標設定をして、改善を重ねていく取り組みが必要です。
今から2年ほど前にもブログでは神奈川県箱根で旅館、ホテルを運営する「一の湯」の労働生産性向上への取組みを紹介したことがありました。
ここでの主なアクションも冒頭に記した「マルチタスク」でした。
その根底にあるのは「お客様の満足度を下げずにコスト削減し、サービスの効率を上げる」、「一人複数の役割をこなす」という基本方針です。
一般的な旅館であれば接客や調理など、従業員の業務分担が厳密に区別されているのが当たり前のようですが、一の湯では時間帯ごとに複数業務を一人が担当し、現在では一人最低でも三役はこなす、という状態です。
この多能化やオペレーションの変更、生産性を向上させるための施設設計により、以前は1400円弱だった人時生産性が約2年前の時点では5400円に達した、ということでした。
20年間という非常に長期的な時間軸ですが、労働生産性(従業員1人当たりの利益)に着目をして、それを4倍弱に引き上げたという地道な取り組みは素晴らしいものがあると思います。
ちなみに、外食産業では生産性の高いと言われるサイゼリヤでの人時生産性の目標は6000円に設定をされています。
当時、私も自クラブの人時生産性を計りましたが、その数値は恥ずかしながら大きな改善が必要なものでした。
おそらく、同じような運営形態をとっているフィットネスクラブであれば、その内容は大差ないものではないかと思います。
このあたりは問題意識をもって取り組んでいかなければならないことのひとつですね。
具体的には「マルチタスク」の導入で一人あたりの労働生産性を高めているスーパー、旅館などの取り組みが紹介をされていました。
ここで言うところのマルチタスクとは、部門の縦割りで業務分担・人員配置をするのではなく、それを乗り越えて一人が他部門の仕事も複数こなす、といった意味合いです。
換言すれば「スタッフの多能工化」といったところでしょうか。
これはサービス業で生産性を高めるうえでは、非常に重要な手段だと思います。
かねてから、サービス業では製造業などと比べて生産性の低いことは問題視をされてきたことです。
ただ、サービス業には「無形性」や「同時性」といったサービス業としての特性がありますから、一律に製造業と比較をして優劣を論じる意味合いは少ないでしょう。
例えば製造業では市場が拡大する、あるいは自社のシェアが高まり、生産量が増して設備の稼働率が高まれば生産コストが下がって生産性は高まります。
一方のサービス業では前述した「同時性」、つまり商品の生産と消費というものが同時に起こる、サービス提供の瞬間に同時にそれらが発生するという特性があります。
それゆえ、大量生産で一気に生産コストを下げたり、提供する無形のモノをストックしておくといったことができませんから、生産性を高めることは簡単ではないし、製造業と同じモノサシで論じることが有用だとは思わないのです。
だからといって、サービス業の生産性を放置していいわけではなく、自社の業態に応じて適切な目標設定をして、改善を重ねていく取り組みが必要です。
今から2年ほど前にもブログでは神奈川県箱根で旅館、ホテルを運営する「一の湯」の労働生産性向上への取組みを紹介したことがありました。
ここでの主なアクションも冒頭に記した「マルチタスク」でした。
その根底にあるのは「お客様の満足度を下げずにコスト削減し、サービスの効率を上げる」、「一人複数の役割をこなす」という基本方針です。
一般的な旅館であれば接客や調理など、従業員の業務分担が厳密に区別されているのが当たり前のようですが、一の湯では時間帯ごとに複数業務を一人が担当し、現在では一人最低でも三役はこなす、という状態です。
この多能化やオペレーションの変更、生産性を向上させるための施設設計により、以前は1400円弱だった人時生産性が約2年前の時点では5400円に達した、ということでした。
20年間という非常に長期的な時間軸ですが、労働生産性(従業員1人当たりの利益)に着目をして、それを4倍弱に引き上げたという地道な取り組みは素晴らしいものがあると思います。
ちなみに、外食産業では生産性の高いと言われるサイゼリヤでの人時生産性の目標は6000円に設定をされています。
当時、私も自クラブの人時生産性を計りましたが、その数値は恥ずかしながら大きな改善が必要なものでした。
おそらく、同じような運営形態をとっているフィットネスクラブであれば、その内容は大差ないものではないかと思います。
このあたりは問題意識をもって取り組んでいかなければならないことのひとつですね。
by biz-365
| 2011-12-17 12:14
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