2018年 01月 20日
1月20日(土):アタマの中でのヒモづき方 |
昨日は「フォトブックで私がイノベーションを考えるなら」と題したブログを記しましたが、本日はこれに関連したことをもう少しばかり。
そこでは自分自身が実際にフォトブック作成サービスを利用した経験も踏まえつつ、「プロセスのエンタメ化」と「アウトプットのオリジナル化」を図ってはどうか、との見解を示しました。
簡単に振り返ると、「プロセスのエンタメ化」というのはフォトブックを作るプロセスそのものを自分以外の誰かと共有し、かつそれ自体を楽しい時間に変えることで、利用の促進につなげる意図です。
また「アウトプットのオリジナル化」は現状で撮りためた写真を活用してのアウトプットの形がフォトブックなどに限定されているので、「自分らしさ」を求めたり、それを表現する現在のニーズ、潮流を踏まえて、画像を盛り込んだオリジナルのノートや手帳、カレンダー、Tシャツ、トートバッグなど、その出口での広がり、オリジナルの幅を広げていく意味合いです。
こうしたアプローチをしていけば、各自のパーソナルデバイスに山と眠っている画像をもとに、新たな需要を喚起することもできるのでは、というのが私なりの考えですね。
さて、そのようなブログを書くと、FBL大学の場や何らかの会合の場でお会いした方々からは、先のようなキーワードの選定、抽象化が実際にアタマのなかでどうやって行われるのか、といった問いを受けることが少なくありません。
そんなこともあって、本日はこの部分に触れてみようと思っています。
数日前のブログでは抽象化をする際に自分でどうやってそれをキーワード化するか、概念化するのかは、「その人が持つ語彙や思考体系によって決定づけられる」といった説明をしました。
同時に私としては「この部分こそが独自脳を形成する核心」であるとも捉えています。
そんな語彙や思考体系は積み上げによって自分のなかで構築されていくものです。
例えば昨日なら「プロセスのエンタメ化」というものを挙げましたが、これは何もない「無」からそれが出てくるわけではありません。
購入までのプロセスを楽しいものにすることで需要が喚起できるとか、購入率を高めることができる、といった情報、事例、実体験が自分のなかに既に存在しています。
一例では、「乗るまでも楽しい、乗ってからも楽しい」というコンセプトを掲げているバイク屋さんがあり、店舗には全長600メートルの試乗コース、一本橋やスラロームなどバイクの教習所と同じ設備が揃っており、ここを無料で貸し出して自分が乗ってみたいバイクを好きに試乗することができます。
こうした取り組みによって新規契約数を伸ばしているほか、女性購入比率が非常に高くなっている事実もありますね。
類似した例でいえば、子供向けの自転車販売を強化している店舗では、同じく店舗内に試乗コースを設けたり、家族連れで着やすいようにキッズスペースを充実させている自転車屋さんもあります。
このような事例や情報とヒモづく形で「購入までのプロセスを楽しいものにすること」が顧客創造のキーワードとして私のアタマの中のどこかに格納されているから、それと今回のフォトブックのサービスがヒモづき、ここに改善の余地があるなということが浮かんできます。
また「プロセスのオリジナル化」では以前にもブログで「今日の特徴的な5つの消費マインド」に触れたことがあったと思いますが、そのひとつには「個性化、充実化重視」が挙げられます。
これは「自分らしさ」としてのカスタマイズサービスが広がりを見せている通りですね。
ナイキやアディダスなどのスポーツメーカーはカスタマイズしたオリジナルのシューズをデザインすることができるし、スーツも廉価でパターンオーダーできるお店が非常に増えています。
また規格品の大量生産・大量販売の象徴であったユニクロが、いまやオーダーのジャケットやオーダーのシャツなどを手掛けていることからも、その流れが分かるでしょう。
これに関してもオリジナル化に関する事例、情報などが自分のアタマのなかにストックされているし、消費マインドやいま流れている潮流みたいなものを掴んでいると、そことヒモづいていくわけです。
最後のところでアタマのなかにストックされているものと、今回のフォトブックがどうやってアタマのなかで結びつくかについては、さすがに私自身も言語化はできません(笑)
新聞記事を読んでそのことについて歩きながら考えていると、勝手にアタマのなかでそれが結びついてポトン、という感じですね。
大事だと思うのはその土台となるべき情報のデータベース、思考のネットワークを張り巡らせておくことです。
そこが安定したものになっていれば、その産物であるアウトプットもそれに従いますからね。
そのベース、ネットワークをつくるために必要なことは数日前に触れた情報の収集・編集・加工や、言葉ひとつを曖昧にせずに掘り下げて自分の一部にしていくことで、ここに時間をかけて自分なりのそれを構築していくのが良いと思っています。
by biz-365
| 2018-01-20 18:06
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