2017年 08月 15日
8月15日(火):小口化で顧客創造 |
先般の日経新聞には寺田倉庫に関する記事がありました。
同記事で紹介していたのは個人がインターネット通販などで購入したワインを1本ずつ預けられるサービスについてです。
自宅にワインセラーがない、保管場所に困る、安心して長期熟成をさせたい、そういった方々が顧客対象ですね。
寺田倉庫ではもともと最適な温度や湿度でワインの熟成などができるように補完するサービスを提供していましたが、それを小口化した形ですね。
サービスとしてはユーザーが購入したワインを寺田倉庫へ送ると、同社がワインの写真を撮影し、名称や生産者名などの情報を登録して倉庫に保管をします。
そうしたワインの登録情報はパソコンやスマートフォンなどで「ワインノート」として閲覧でき、自分が飲みたいタイミングでそれを送ってもらうことができます(送料1,500円/箱)。
同サービスの特徴は、やはりワイン1本からでも保管を依頼でき、その月額90円もという手軽さにありますね。
寺田倉庫の場合はもともと衣類や小物の保管を手掛けており、そちらでも小口化した「minikura」というサービスを提供しています。
こちらは「自分の倉庫を200円から」と訴求をしているように、箱単位で荷物の保管を依頼できるクラウドストレージで、その最小単位は月額200円から利用できます。
ワイン同様に送った荷物は寺田倉庫側で写真撮影を行い、その荷物を1点ずつ個人ページにアップをしてくれます。
この保管したアイテムをビジュアライズして分かりやすくリスト化してくれるのは、預けるユーザーの利便性を考えれば極めて秀逸ですね。
そして対象になっているものが必要になった場合は、それを送ってもらうことができます。
寺田倉庫の場合はもともとこうしたサービスを手掛けていたから、商品の保管に対する個人向けページや配送の手配など、そうしたノウハウやオペレーションを保有しています。
だからこそ、それをそのままワインに向けて水平展開するのは容易いことで、それが今回のサービス展開につながっていると思います。
ワインストレージにしても、minikuraにしても、共通しているのは前述したように小口化をしていることです。
ユーザーにおける利用単位を限りなく小さくすることで、利用に対する制約が取り払われるほか、費用負担もそれだけ小さくなります。
そのことによって何が起こるのかといえば、「誰もが利用できる状況」が生まれるということです。
そうやってサービスの間口を広げることで、より多くのユーザーを獲得することができますね。
そうした意味でも小口化というものも顧客創造にひとつの方法だと言えます。
by biz-365
| 2017-08-15 19:18
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