2017年 08月 14日
8月14日(月):専用化で売場が変わる |
先般の日経産業新聞には「女性向け店舗3倍超」と題した記事がありました。
こちらは靴専門大手のABCマートに関する記事ですね。
内容としては女性向け店舗「シャルロット」を現在の30店舗弱から、今後の3年で3倍の100店舗に向けて出店を加速するというものです。
同店舗は一般的なパンプスから履き心地を重視したコンフォートシューズまで幅広い婦人靴を揃え、かつ独自商品を投入することで中心的な価格帯を5,900円~6,900円でラインナップしています。
婦人靴の市場全体が落ち込むなかで、シャルロットやABCマート全体における婦人靴の売上は前年度を上回っているとのことで、ユーザーからは支持が得られているとの判断でアクセルを踏むのだと思います。
婦人靴はABCマートでも販売をしていますが、こうしてあえて女性に向けて専門店化する意味合いはあると言えるでしょう。
特に今後出店をしていく駅ナカやショッピングセンターなどの立地を考えれば、なおさらですね。
SCにしろ、駅ビルにしろ、やはり女性向けのブランドは、それが集まるフロア、あるいはエリアに区画されます。
女性に向けたブランドだけがラインナップするフロアにABCマートが入ることはありませんから、もし婦人靴を見たい場合はそれがあるフロアなりエリアへ行かなければなりません。
しかしながら女性向けのブランドで専門店化をしてしまえば、そうした顧客対象が回遊するエリアへの出店が可能になり、ユーザーとの接点を確保しやすくなります。
こうなると来店してもらい、商品を手に取ってもらえる機会は確実に増やしやすくなるでしょう。
このあたりは紳士服店におけるレディス商品についても同様なことが言えます。
若年層に向けたツープライスなどで展開するスーツ店では、どこでもメンズに加えてレディスのラインナップをしています。
しかしながらメインはあくまでもメンズだからメンズフロアに店舗が位置していたり、特に男性や女性に限らないブランドが並ぶ上層階等に出店するのが常です。
そうなるとレディス商品を扱っていながら、顧客対象である女性の目に留まる機会はどうしたって限定的になります。
だからこうしたケースならレディス商品だけを外に切り出して、それ単体のブランドとして女性フロアに出店をするほうが顧客接点を確実に増やすことができるわけです。
いまから遡ること7~8年ほど前にはメルマガで紳士服店を取り扱った際に、私はそのなかでそんな提言をしていました。
そしてその後、紳士服チェーンのなかで唯一、そういった形でそれを展開しているのが青山商事グループのスーツカンパニーですね。
「WHITE」を冠して別ブランドとして、これを単体で店舗展開をしていますが、同ブランドにおける売上が伸びている点は以前に新聞紙面で報じられていた通りです。
靴にしてもスーツにしても、これらはひとつの店で男女のものを取り扱う良さもありますが、一方でこうして別ブランド化することのメリットも非常に大きいと言えます。
今回の例からも分かるように既存の店舗やサービスに包含されているものを、あえて外に切り離してみることも顧客創造のひとつのアプローチだと思います。
by biz-365
| 2017-08-14 18:35
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